不眠症に用いられる漢方薬
不眠症はいつの時代から発症していたのでしょうか?
どうも江戸時代の中期で世情が安定してきた頃のようです。このころから人間関係での格式やしきたりがうるさくなり、今と同じようにストレス社会になったと思われます。現代では日本人の5人に1人が睡眠に対して問題を抱え、60歳以上にになると約3人に1人が睡眠問題で悩んでいると報告されています。
漢方薬は西洋薬のような強制的な眠りを誘導する働きではなく、自然な眠りを誘導することができます。睡眠薬による習慣性の問題や、早朝時の体のだるさ、ふらつきなどを気にされる方に安心して服用していただけます。
代表的な漢方薬
●酸棗仁湯
不眠症のファーストチョイス、心身の疲れで眠れない、眠りが浅い方
●黄連解毒湯
ストレスを強く感じ、興奮し易く、まれに不安感を感じる方
●柴胡加竜骨牡蠣湯
抑うつや動悸を伴い、眠りが浅く夢見が多い方
●帰脾湯
疲れすぎて眠れない、胃腸虚弱で、夜間によく目が覚めることが多い方
●柴胡桂枝乾姜湯
寝汗、動悸、疲労倦怠感が強い虚弱体質の方
●黄連阿膠湯
胸苦しさや皮膚のかゆみで眠れない、目がさえて眠れない方。
●桂枝加竜骨牡蠣湯
心身の疲労感が強く、眠りが浅く、夜間によく目が覚めることが多い方
●抑肝散加陳皮半夏
ストレスが発散できず神経が高ぶり、いやな夢をよく見る、睡眠時に歯ぎしりがはげしい方
●黒逍遥散
更年期のホルモンバランスの乱れにより、のぼせやイライラなどの精神不安定な状態を伴う方