便秘

昔から快食、快眠、快便は健康のバロメーターと言われています。しかしながら、近年、食生活の欧米化、ストレス社会、運動量の減少によって便通異常を訴える方が増加しています。いわゆる刺激性の下剤は効果は強いですが、使い続けることによって腸が刺激に慣れていまい、最終的には効かなくなります。さらに、腸内のガスの排泄が滞り、腹部膨満感という合併症が発現します。すなわち、腸の蠕動(ぜんどう)運動が自発的に起きることが根本的な体質改善につながります。

便秘のタイプ別漢方

近年の便秘は腸の冷えが原因と考えます。腸を温めることによって自発的な蠕動運動が始まります。温める性質の生薬が配合された温脾湯(おんぴとう)で冷えを改善すると腸の緊張が和ぎ、スムーズに排便できます。一方、うさぎの糞のようなコロコロ便はストレスにより腸液の分泌が低下しています。腸を潤す潤腸湯(じゅんちょうとう)が適しています。また、便が細く、途中できれたり、残便感が残る場合は自律神経のバランスが崩れています。自律神経のバランスを整える九味檳榔湯(くみびんろうとう)が適しています。