夏バテ

残暑の厳しいこの時期は汗をかきやすく、体内の水分やミネラルだけでなく、体力も失いがちです。これを東洋医学では、汗によって気と津液が両方失われていると捉えます。その結果、倦怠感、息切れ、口の渇き、手足のほてりなどの症状や脱水症状を引き起こしてしまいます。汗をかいてぐったりした状態が続くと秋口にだるさ、疲れ、食欲不振などの秋バテ症状につながります。

【漢方処方解説】

気の不足は疲れ、食欲不振、息切れ、動悸など、津液の不足は肌の乾燥、手足のほてり、のぼせ、のどの渇きなどの症状を引き起こします。気を補う人参、津液を補充する麦門冬で構成させた生脈散(しょうみゃくさん)が適しています。食の対策として、気や津液を補うじゃがいも、しいたけ、山芋などを摂取しましょう。また、冷たいものや加工食品の摂りすぎ、不規則な生活などが続くと消化機能が低下して食欲が低下し、夏の間中、倦怠感、胃腸不良、むくみなどの症状がでます。このような場合は胃腸機能を亢進し、水分代謝を改善する香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)が適しています。食の対策として、あずき、ハトムギ、白菜、とうもろこしなど余分な水分の排出を助ける食材を摂取しましょう。