片頭痛・緊張型頭痛と漢方

片頭痛は男女ともに20~50歳代の働き盛りに多く、そのメカニズムは完全には解明されていませんが、ストレス、三叉神経の刺激、痛み物質関連ペプチドの発現、長時間の同じ姿勢による血流の悪化などが考えられています。一般的には鎮痛薬の頓服による治療が行われますが、使い過ぎによる薬物乱用リスクがあります。漢方医学では頭痛の原因の多くは血行不良や水分バランスの乱れによって起こると考えます。原因や症状、体質にあった漢方薬を選択することで頭痛の頻度を減らすことが可能です。

漢方処方 慢性頭痛の診療ガイドラインによると、漢方薬の効能に関して科学的エビデンスが集積されています。具体的には、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)、桂枝人参湯(けいしにんじんとう)、釣藤散(ちょうとうさん)、葛根湯、五苓散(ごれいさん)の5処方が有効として挙げられています。一方、難治性の頑固な頭痛には頭部の気血うっ滞、上気、水毒を改善する清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)が用いられます。