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耳鼻咽喉新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルスの感染者が日を追って増え続けています。予防を観点として、漢方素材で身を守る方法を考えます。

〇身体の弱さが心配な時

お子様、ご高齢の方など、身体の弱さがある方を守りたいときは肺と腎の機能を助ける補肺腎素材と言われる冬虫夏草、霊芝、梅寄生が適しています。

〇疲れやすい方

風邪をひきやすい、食欲があまりない、疲れやすいといった状態は漢方の病の区分で虚証になります。薬用人参、補中益気湯、六君子湯で気力を高めます。

〇生活習慣の悪い方

バランスの悪い食事、夜更かし、喫煙、過度の飲酒などは血液の流れを悪くし、いわゆるドロドロ血という状態を招き、免疫力を低下させます。丹参、三七サポニンといった血液中の老廃物の除去の役立つ漢方が向いています。

皮膚乾燥を漢方で改善

空気が乾燥する冬は呼吸器と皮膚の乾燥を訴える方が多くなります。身体の乾燥は東洋医学的には水分と血液の不足が原因と考えます。漢方薬には乾燥状態の改善が期待できる処方が多くあります。

〇呼吸器

 口が乾燥する、痰が絡む、咳が出始めると止まらないといった症状には肺を潤す漢方薬が適しています。

◇麦門冬湯

 ねばっこい痰で、せき込む方に。

◇味麦地黄丸

 慢性の咳で、空咳、息切れに効果があり、口が乾き、皮膚が乾燥してつやのない方に。

◇生脈散

 呼吸器を潤す働きに優れており、胃腸が弱い方に。

〇皮膚

 空気の乾燥は皮膚にも及び、毛細血管を収縮させ皮膚への栄養が届きにくくなっています。

◇当帰飲子

 乾燥による皮膚の痒みの代表処方です。粉っぽく色の白い皮膚の方に。

◇婦人宝

 貧血気味で、冷え症、めまいなど血液不足が原因で皮膚が乾燥する方に。

◇黄連阿膠湯

 乾燥と赤身がかった炎症があり、夜間や就寝中にかきむしってしまう方に。

共通老化による免疫低下

ヒトの免疫には自然免疫と獲得免疫があります。自然免疫はいろいろな病原体や異物を感知して排除する仕組みで、獲得免疫はコロナウイルスなど特異的な病原体を記憶し、出会ったときに効果的に排除する仕組みです。両者の免疫が相互に補完して私たちの体を守っています。加齢とともに免疫機能も低下しますが、獲得免疫の機能が著しく低下することが分ってきました。その機能は20歳代が頂点で、40歳代で半分に低下するとされています。漢方では老化による様々な変化に対応する処方が多くあります。代表的な処方として、補中益気湯、十全大補湯、八味地黄丸、小建中湯などが上げられます。また、高齢者・虚弱者などの低下した免疫力のアップには生体の抗体産生能力を強くサポートする炮附子(ほうぶし)や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が優れています。

神経・脳、脳神経片頭痛・緊張型頭痛と漢方

片頭痛は男女ともに20~50歳代の働き盛りに多く、そのメカニズムは完全には解明されていませんが、ストレス、三叉神経の刺激、痛み物質関連ペプチドの発現、長時間の同じ姿勢による血流の悪化などが考えられています。一般的には鎮痛薬の頓服による治療が行われますが、使い過ぎによる薬物乱用リスクがあります。漢方医学では頭痛の原因の多くは血行不良や水分バランスの乱れによって起こると考えます。原因や症状、体質にあった漢方薬を選択することで頭痛の頻度を減らすことが可能です。

漢方処方 慢性頭痛の診療ガイドラインによると、漢方薬の効能に関して科学的エビデンスが集積されています。具体的には、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)、桂枝人参湯(けいしにんじんとう)、釣藤散(ちょうとうさん)、葛根湯、五苓散(ごれいさん)の5処方が有効として挙げられています。一方、難治性の頑固な頭痛には頭部の気血うっ滞、上気、水毒を改善する清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)が用いられます。

共通病後の回復補助

厚労省「新型コロナウイルス感染症の手引き」によると、感染後の不快な症状の頻度は約72%であり、半年以上経過しても約56%の方が何らかの症状に悩まされています。オミクロン株に感染した後の症状はデルタ株とは異なり、咳などの呼吸器症状、倦怠感などの全身症状を訴える方が多いそうです。一方、日本東洋医学会の「COVID-19漢方治療症例報告」に感染症の後遺症に対する報告があり、漢方治療による症例も増えています。

病後の漢方処方

慢性的に咳が続くと呼吸する力も衰え、体力も衰えます。咳の原因となる炎症を抑える竹葉、石膏に加え、体力の回復に優れた人参、気管支粘膜の乾燥を防ぐ麦門冬などが配合された竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)を用います。せき込みが強くて呼吸困難を訴える場合は、せき込みを抑える紫蘇子(シソシ)が配合された蘇子降気湯(そしこうきとう)を用います。また、心身共に疲れて不眠が続く場合は帰脾湯(きひとう)、嗅覚障害が残る場合は麗沢通気湯加辛夷(れいたくつうきとうかしんい)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を用います。

耳鼻咽喉咽喉頭異常感症と漢方

咽喉頭異常感症とは「咽喉頭異常感の訴えがあるものの、異常所見を認めないもの」とされています。50代や女性に多く、「咽喉頭に何かつかえる感じがする」と訴えて耳鼻咽喉科を受診する人は年々増加傾向にあるそうです。最近では胃酸の逆流が原因の場合も多く、胃酸を抑える薬が処方されますが、効果が不十分な場合は、胃もたれ、胸やけに効果のある六君子湯や半夏瀉心湯が用いられます。また、明確な原因が特定できない場合は精神ストレスやホルモンバランスの乱れが原因である可能性が高く、喉のふさがって停滞している「気」を開放する、半夏厚朴湯や柴朴湯が用いられます。また、動悸、めまい、不安感などの症状を改善する効果も併せ持っています。お気軽にご相談ください。

歯・口腔体臭・口臭の気になる方へ

汗ばむ季節になると、体のニオイが気になります。ニオイで察知できる不調や病気として、腐った肉のようなニオイは歯槽膿漏などの口腔系、肺や気管支などの呼吸系、鼻炎や蓄膿などの鼻系の関与が、腐った卵のようなニオイは消化不良によるもので胃腸系の関与が考えられます。一方、若くして加齢臭のようなニオイがする場合はストレス臭といって、ストレスで活性酸素が増加し、皮脂腺から加齢臭の原因とされるノネナールが分泌されるためです。

体臭は異常を知らせる危険信号です。たかが体臭と軽視せず、根本的な原因を取り除く必要があります。

ニオイ取り漢方

〇口腔系

甘露飲、黄連解毒湯、三七人参など

〇呼吸器系

清肺湯、竹葉石膏湯、柴朴湯など

〇鼻系

葛根湯加川芎辛夷、荊芥連翹湯、麗沢通気湯加辛夷ななど

〇胃腸系

香砂六君子湯、人参湯、安中散、平胃散、茯苓飲合半夏厚朴湯など

〇ストレス系

柴胡疎肝湯、抑肝散加陳皮半夏、帰脾湯、柴胡加竜骨牡蠣湯など

なお、すべてのニオイ系に対してクマ笹は消臭効果があります。

精神・神経不眠症に用いられる漢方薬

不眠症はいつの時代から発症していたのでしょうか?

どうも江戸時代の中期で世情が安定してきた頃のようです。このころから人間関係での格式やしきたりがうるさくなり、今と同じようにストレス社会になったと思われます。現代では日本人の5人に1人が睡眠に対して問題を抱え、60歳以上にになると約3人に1人が睡眠問題で悩んでいると報告されています。

漢方薬は西洋薬のような強制的な眠りを誘導する働きではなく、自然な眠りを誘導することができます。睡眠薬による習慣性の問題や、早朝時の体のだるさ、ふらつきなどを気にされる方に安心して服用していただけます。

代表的な漢方薬

●酸棗仁湯

不眠症のファーストチョイス、心身の疲れで眠れない、眠りが浅い方

●黄連解毒湯

ストレスを強く感じ、興奮し易く、まれに不安感を感じる方

●柴胡加竜骨牡蠣湯

抑うつや動悸を伴い、眠りが浅く夢見が多い方

●帰脾湯

疲れすぎて眠れない、胃腸虚弱で、夜間によく目が覚めることが多い方

●柴胡桂枝乾姜湯

寝汗、動悸、疲労倦怠感が強い虚弱体質の方

●黄連阿膠湯

胸苦しさや皮膚のかゆみで眠れない、目がさえて眠れない方。

●桂枝加竜骨牡蠣湯

心身の疲労感が強く、眠りが浅く、夜間によく目が覚めることが多い方

●抑肝散加陳皮半夏

ストレスが発散できず神経が高ぶり、いやな夢をよく見る、睡眠時に歯ぎしりがはげしい方

●黒逍遥散

更年期のホルモンバランスの乱れにより、のぼせやイライラなどの精神不安定な状態を伴う方

産婦人科男性不妊の現状と漢方

不妊といえば女性に問題があると思われがちですが、最近では、電磁波、ストレス、不規則な生活、加工食品の摂りすぎなどで男性不妊の方が増えています。

精子の基準は精液量、精子濃度、総精子数、運動率、生存率、正常形態率などで規定されています。疾患別でみると、造精機能障害が82%、性機能障害が14%、精路通貨障害が4%、となっています。

中でも原因のわからない突発性の造精機能障害が42%と最も多く、治療に難渋する場合も多いようです。西洋医学的な治療が難しい場合は、漢方薬が役立つ場合があります。

例えば、精子頭部の空砲形成には柴胡加竜骨牡蠣湯や補中益気湯の3か月服用で有意な改善を認めたという報告もあります。また、精子の運動率の改善には八味地黄丸や牛車腎気丸が選択されています。

精力や活力が低下している場合は鹿の角や亀の甲板を配合した活力勇骨丸を用います。

精神・神経ストレスにおすすめの漢方

春は入学や就職、転勤など環境が変わる方が多く、気持ちが不安定になりやすい季節です。

この時期は不安感、抑うつ感、不眠などのストレスに関連する症状が出やすくなります。

帰脾湯(きひとう)

身も心も弱り、心(精神)の疲れを感じる方の漢方薬です。胃腸が弱くて気力が出ず、血液の供給が不十分で栄養が得られないために、身体だけでなく、精神も疲れてしまう状態に用いられます。眠りが浅く、夢見が多く、夜間によく目が覚める方や、日中の眠気、動悸などの症状がある方にお勧めです。

黄連阿膠湯(おうれんあきょうとう)

疲労が強く、胸の苦しさが強く、イライラしやすい方や、足が冷えて顔はのぼせ気味の方、身体が乾燥しやすい高齢者の不眠にもお勧めです。

柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)

ストレスによって気分の発散がうまくできず、イライラなど感情の起伏が激しいため、脇腹の腹の張りを感じたり、腹痛など痛みを感じる方にお勧めです。

定悸飲(ていきいん)

不安やストレスによる動悸、あるいは下から突きあがってくるような動悸、その他、めまい、ふらつき、のぼせなどを伴う不安神経症の方にお勧めです。

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