自律神経の乱れ

メンタルを崩しやすい季節と言えば、それは春でもあり、夏でもあり、冬でもあり、実際のところ、いつでもメンタルを崩す要因は溢れているという方が正しいでしょう。ただ、春は年度変わりで環境が大きく変わることから、春に心身のバランスを崩す人が多いのは確かです。気持ちが落ち込み、やる気が起こらない、睡眠障害など訴える人も少なくありません。当然、これはメンタルだけにとどまらず身体の不調として見えてきます。身体がだるい、めまい、腹痛、下痢、便秘などの症状につながります。

漢方処方

自律神経と副交感神経のバランスが崩れ、気の巡りが悪くなった症状を肝気鬱結(かんきうっけつ)と呼びます。肝気鬱結を改善する生薬に柴胡(さいこ)と芍薬(しゃくやく)があり、これに数種類の生薬を組み合わせた柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)は胸や脇、腹などに重苦しさがあり頭痛、肩や背中のこわばりがある方に向いています。精神的ストレスが胃腸に影響して食欲がなく、腹部膨満でガスが溜まりやすい方には香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)が適しています。また、考えすぎでイライラして胸苦しく不眠傾向が強い方には黄連阿膠湯(おうれんあきょうとう)が適しています。